### ポルトガル:バカリャウの世界
ポルトガル料理で欠かせない存在、それが「バカリャウ」です。もともとは塩漬けしたタラを指す名前ですが、ポルトガルでは単なる食材を超えて、文化や歴史が詰まった特別な存在です。今回は、バカリャウに関する雑学や歴史、そしておいしいレシピを紹介します。
#### バカリャウの雑学・トリビア
1. **タラの王様?**
バカリャウは、ポルトガル語で「干しタラ」のこと。実際には、タラは北極海や大西洋の冷たい海域で捕れる魚ですが、特にノルウェーから輸入されることが多いです。バカリャウはポルトガルの食卓で「魚の王様」と称されており、特に祝祭日や家族の集まりで欠かせない存在です。
2. **700以上のレシピ!**
なんと、バカリャウを使ったレシピは700以上もあると言われています。最もポピュラーな料理の一つは「バカリャウ・ア・ブラザ(バカリャウのブラザ風)」で、ほぐした干しタラ、玉ねぎ、ジャガイモ、卵、オリーブオイルを使って作られます。
3. **ポルトガルの食文化の象徴**
バカリャウは、ポルトガルの国民的食材であり、特にカトリックの伝統においては、肉を食べられない日(断食の日)に食べられることが多いです。このため、バカリャウはポルトガルの食文化において非常に重要な役割を果たしています。
4. **保存食としての歴史**
バカリャウは、古くから長期間保存できる食品として重宝されてきました。陸上交通が発達していなかった時代、海を越えて食料を確保するために、塩漬けされた魚は必需品でした。これにより、ポルトガルの探検家たちは新大陸へ向かう際にもバカリャウを携えて行ったと言われています。
#### バカリャウの歴史と意外な使われ方
バカリャウは15世紀の大航海時代からポルトガルにおいて重要な食材として使われてきました。特に、ポルトガル人が北大西洋でタラ漁を行い、その魚を塩漬けして保存する技術が広まりました。これにより、バカリャウは長い航海の間の貴重な栄養源として重宝されてきたのです。
意外な使われ方として、バカリャウはサンドイッチや春巻き、さらにはパスタ料理にも使われます。特にバカリャウを使ったパスタは、通常のパスタとは一味違った風味を楽しむことができるため、ポルトガル国内で人気の一品です。
#### おすすめのレシピ:バカリャウ・ア・ブラザ
**材料(4人分)**
– 干しタラ(バカリャウ):400g(事前に水で戻しておく)
– ジャガイモ:3個
– 玉ねぎ:1個
– ニンニク:2片
– 卵:4個
– オリーブオイル:適量
– 塩、コショウ:適量
– オリーブやパセリ(飾り用)
**作り方**
1. 干しタラを使う場合、水に浸して一晩塩抜きします。その後、鍋で茹で、ほぐします。
2. ジャガイモを皮ごと茹で、冷ました後に細切りにします。
3. 玉ねぎとニンニクをオリーブオイルで炒め、香りが立ったらほぐしたタラを加えます。
4. さらにジャガイモを加え、全体がよく混ざるように炒めます。
5. 別のボウルで卵を溶き、炒めた材料に流し込んで、全体が均一になるように混ぜます。
6. 中火で焼き、表面がこんがりと色づくまで焼いたら完成です。
7. 最後にオリーブやパセリで飾って、急いで召し上がれ!
バカリャウはその保存性と独自の風味から、ポルトガルの食文化に深く根付いた食材です。ぜひ、バカリャウを使った料理を作って、その魅力を味わってみてください。あなたの食卓にも、ポルトガルの風を呼び込むことができるでしょう!